関東ハイキング連盟     
Kanto Hiking Union

2009年 10月31日 川苔(かわのり)山
先々週の雲取山と同じ時間のバスに乗る。もう、電車のなかで寝過ごしはせぇへんぞ!

晴れ。
気温は17〜22℃。めっちゃ快適。

5:00 起床
6:08 雪が谷大塚駅
8:28 奥多摩駅

トイレで大きいほうを済ましておこう。しかしバスまで5分しかあらへん。予想通り、大便待ちの行列や。順番が来て終わらせ、ダッシュ。
満員の1台目が目の前を通りすぎていき、2台目も乗り切れず諦めているグループがいる。ぼくは一人やし、通勤ラッシュのように無理やり押し込んで乗車した。
さすが秋の行楽シーズン。ハイカーだらけ。
奥多摩駅から「川乗橋」バス停まで、およそ15分。250円。

9:00 川乗橋バス停

ここから、しばらく川沿いの舗装道路を歩いていく。
紅葉まで、あともうちょっと。
来週、11月3日から冷え込むらしいから、そこから一気にやな。来週もハイキングを狙ってみよかな。

 ☆ ☆ ☆

標識を境に、登山道へ入っていく。渓谷沿いを歩くコースで、ときどき小さい滝があったりする。いろんな風景を楽しめる。
ぼくの歩くペースは早いほうや。ただし、しょっちゅう止まって写真を撮っている。

 「この景色いい」
 「この角度で撮ってみよう」

そうやって、しょっちゅう止まってあれこれ撮る。
その間に、さっき抜いた人に抜かれていく。

この前を行くおじさんとは、抜いて、抜かれてを3回繰り返すことになった。狭い道を毎度避けてもらうのに、申し訳なかった。
落ち葉の絨毯。ふわふわで歩きやすい。

♪サクサク、カサコソ、ガッサ、ガッサ

渓谷に流れる水の音がする。

♪ドドド、サーー、ザー

音も、ハイキングの楽しさのひとつ。
ここから右へ上がり、崖伝いに歩く。
渓谷を右下にして、ぐいぐいあがりながら登る。道幅は極端に狭く、右下は崖。

どこが高度の境目か知らんけど、ぼくは高所が苦手。途中から、いつもやったら1歩も進めんぐらい怖くなってきた。しかし、止まられん。止まってもしゃあない。進むしかない。

独り言よりもでかい声で
「ムリ!」と単発的に叫んで、自分を鼓舞した。崖が継続するところは「ムリ、ムリ、ムリ、ムリーーー!」と声を張り上げながら進んだ。必死に違うことを考えて、視覚から入ってくる情報を無視することにした。

10:00 百尋の滝
百尋の滝を過ぎて、落ち葉を踏みしめる気持ちいい登山道が続く。

落ち葉で道がわからないときがあるが、よく目を凝らすと、足跡やストック跡を見つけることができて、それを辿る。
川沿い、渓谷歩き、崖歩き、植林、広葉樹、ブナ林などコース・バラエティは富んで楽しい。

あ、空が開けてきた。もうすぐ山頂や。
11:00 川苔山 登頂!

一人か二人で登ってきてるハイカーさんが多かった。
11:20 下山開始

秋の山!
山頂からすぐ戻ったところで、鳩ノ巣駅か古里駅にコースが分かれる。
近い、鳩ノ巣駅へ向かうのが一般的らしいが、ぼくは足を延ばして古里へ向かった。なるべく長く、たくさん歩きたかった。
1本だけ綺麗な紅葉と、巨木が印象的。

しばらく行くと、防火帯の整備をしていた。
そこを過ぎると、ぱっと明るくなって、開けた景色とススキ野原に出た。写真を撮りまくった。

風にたなびくススキが好きやねんなぁ。
赤杭山と書いて、あかぐなと読む。訛ってんのかな、と思ってたら、「赤久奈」の標識が出てきた。川苔山も川乗山と表記するし、言い伝えが違って伝わったのか、訛りに当て字をしたのか、そういうことを考えながら歩く。

そして、ここを過ぎて
遭難した。

 ☆ ☆ ☆

いや〜、やばかった。尾根沿いから植林帯に入り、方向を見失った。完全に道をロストした。迷ったと思われる地点まで戻れる体力が続くか・・・?めっちゃ降りてきてしまってる。そして水が足りるか。残りあと50ccぐらいや。

警察か観光案内所に電話するか、真剣に悩んだ。

しかし
「またKG生(しかも同級生)が山で遭難!人騒がせ。今度はクランキーチョコで飢えを凌ぐ」のニュースが頭をよぎった。クランキーチョコはすごい!となって、後から宣伝費代わりに1年ぶんもらえたら嬉しいけど、そんなアホみたいなこと言うてられん。まじや、っちゅうねん。どうしよう?

(六甲山で遭難し、エバラ焼肉のタレで飢えを凌いだ、と騒がれた打越というのはぼくの同級生)

あかん、あかん、爆笑してる悪友たちの顔が浮かんだ。奴らにネタを提供しすぎる。それだけは絶対避けな。一生言われてしまうがな。
爆進してきたルートを根性で登った。「よくぞこんなき急勾配を"合ってる、合ってる"と思いこんで進んできたわ」と、呆れた。
自分の足跡を辿って1時間、なんとか戻れた!自分の根性を褒めたい。偉い!
ここや。尾根道と巻道に分かれている(ように見える)。

「どうせ合流するんやろな。ほなら山頂で景色見てから、ガッと下ったらええわ」と判断してしまった。

確かに、尾根道を進むと赤杭山の山頂らしきところにでた。しかし、その時点ですでに道はなかった。「落ち葉でわからんのや」、「踏み後らしき痕跡がある」などと自分を思い込ませながら、不安を打ち消して進んだのが間違いや。

おかしい、と思ったらすぐ引き返せ。

 ☆ ☆ ☆

ここは巻道(っぽい道)を、下っていくのが正解。
あ〜道ってええなぁ、とつくづく思った。
14:15 古里駅に到着!

遭難しかけて道に戻れてから、もう
「降りたら絶対ビール」と何度も思いながら到着し、人心地ついた。

自動販売機でビールを・・・、と思ったらジュースの販売機すらない!時刻表もない!無人駅。
少し戻って街道沿いで商店を発見し、ビールを買って祝杯!喉を鳴らして一気に飲み干した。

ぶは〜!
安心感!

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