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2005年 5月21日 民族舞踊と国際交流(島根県益田市) 1日目
島根益田市で行われた石見神楽ドイツ・フローメルン『民族舞踊と国際交流』に参加してきました。

 ☆ ☆ ☆

ぼくたち東京チームは、「せっかく島根まで行くんなら出雲大社にも行こう!」ということで、羽田→出雲空港→レンタカーで南下→益田市へ向かうことにしました。

出雲大社へ行くのは初めてです。

事前に、神話や出雲大社に関連する本を読んで勉強しました。とはいえ、5名中4名が独身のため、
”縁結び”のお願いが本命だったりして・・・。

東京から参加した5名のうち3名が、舞台が初体験な上、本家の師匠たちと顔を合わせるのが初めてです。

 ・個性溢れる師匠らとうまく交わることができるか?
 ・初めての舞台をうまくできるか?

今日のためにしっかり練習をやってきました。後は出たとこ勝負です!
1泊2日の小旅行がスタートです。
出雲大社の参道が拝殿に向かって、カクッと曲がっていました。

なんで?

本殿から正座殿も正対していませんでした。

なんで?

出雲大社は何やら、謎めいていて、探究心をくすぐられます。
ここ出雲大社では、二礼四拍手一礼が基本です。”縁結び”をお願いして、早速、御守りを買いに行きました。

御守所の前で、「人からもらったほうがご利益がある」と誰かが教えてくれて、だったら「きとやん、私のぶんを買って。その代わりに私がきとやんのぶんを買うから」、私は「何個買うんやったっけ?」と、ええ歳こいた男女がぎゃーぎゃー騒いでました。

その様子を見ていた巫女さんらは呆れ顔でした。

「あ、一個買い忘れた!」と一人がダッシュで戻っていったときには、巫女さんも隠さず笑っていました。
お昼に出雲そばをいただきました。

稲佐の浜→旧・出雲大社駅→国道9号線を南下して、益田市へ向かいました。
稲佐の浜
国譲りの神話の舞台やって。
話しは前後しますが、出雲空港から出雲大社へ行く前に、ワインの試飲と試食コーナーの『島根ワイナリー』へ立ち寄りました。

軽い気持ちで「とりあえず」で入ったら、大当たりでした!

ぼくはドライバーなんで泣く泣くグレープジュースやったけど、9種類のワインが飲み放題。みんな、試飲をしまくってました。

美味しいのを見つけたんで、獅子舞メンバーらのお土産に2本買いました。
試食も、たくさんありました。お漬物ばかりです。

「わーこれ、美味しい。こっちのも美味しい」

と、あれもこれも試食しながら、同じものを2回3回と食べたりしました。大満足です。気に入ったのは、
『うりの粕漬け』『にんにくせんべい』でした。

もし出雲大社へ行くことがあれば、
『島根ワイナリー』へ寄ることをお薦めします!
それと、もう一つ。
『焼き鯖寿司』がむちゃくちゃ美味しかったです!最近では、どこでも売ってますが、ここのは一味違う鯖を楽しめます。

脂の乗りっぷりが最高で、鯖の臭みがまったくありませんでした。ぼくたちは出雲大社に着くまでの1・2分でぺろっと食べてしまいました。

こんなに美味しい鯖は初めて食べました。超お薦めです!
ナイフとお箸、お手拭を忘れずに。手がベトベトになります。
島根県は日本海に面して細長く、出雲から益田まで3〜4時間かかります。順調な道中です。

ひたすら南下です。
途中、重要文化財の
大社駅を観光。
(ここから写真と文章が一致しません)

さらに南下。
島根ナンバーの車は、みな、法定速度をちゃんと守ります。時速50kmのところは50kmで走る。はっきり言って、遅い!

やばいです。このままだと遅刻します。

夕方前に到着し、師匠らに挨拶し、
レセプションパーティに参加する予定です。間に合うのか?

一台、車を抜いても、また法定速度で走る車。
もう諦めました。仕方ないので、ぼくも島根県民と同じくスローに行くことにしました。
『世界一の砂時計』というのがありました。悲しみの街(勝手に命名。あまりにも寂しい町だったので)を通りすぎました。道の駅でぼくたちが出演する舞台の案内がありました。
やっと、益田市に到着しました。


石見神楽のスサノオノミコト役の斉藤師匠が出迎えてくれました。ドイツで会って以来の、ひさしぶりです。

1000人を収容できる石西県民文化会館の大ホールが、明日の舞台です。ホールに入ると、昨日から入ってるドイツのチームがリハーサルをやっていました。
あー!ぼくがドイツでお世話になった、ベアーテとアンドレアスがいました。

「おー!久しぶり!!!How are you?」

ベアーテは28歳、かわいい女の子です。美人ですが、将来いわゆるドイツのおばちゃんになる片鱗が、ぽこっと出たお腹に見え隠れします。
アンドレアスは、スマイリーにそっくりな少年です。

ちょっと連日の宴会や移動でお疲れ気味のよう。ドイツ人が50人もいると、ここ益田の町が、まるでドイツ・バーリンゲンのクラブハウスにいるようでした。
バーリンゲンと同じ、田舎の匂いがしました。素朴で、町全体から伝統文化を守ろうとしていこう、という空気が益田市にもあります。

獅子舞の師匠たちは、レセプション会場のあちこちに散っています。相変わらず自由人たち。神戸太鼓の児玉師匠は、それを見て「これが獅子舞や」と言ってました。

獅子舞の師匠を一人づつ捕まえ、東京から参加する者を紹介しました。こういうのが大事で、怠ると後から怒られます。

東京から参加したメンバーらは、師匠らのことを「想像していたよりいい人そう」と言ってました。いや、本番になるとね・・・、全然ちゃうねん・・・・・。
レセプションパーティがスタート。地元おばちゃんたちの餅搗き音頭に合わせて、ドイツ人が餅をつきます。力比べのつもりか、力任せに搗いて競い合ってます。

言うとくけど、それ、食べ物でっせ!

搗きたてのお餅をいただきました。ほんのり温かくて、びよ〜んと伸びて美味しかったです!

 ☆ ☆ ☆

早速お神楽を見られるの?!やったー!
舞台にかぶりついて観ました。こんな機会は滅多ありません。舞台は一緒にやりますが、いつも袖から見るだけやから。

出雲大社は浮いた気分で参拝しましたが、ここで神話と現実が対になりました。神に捧げる舞踊。日本国がここにある、と強く感じました。ちょっぴり真面目な気分。

初見組みはひたすら感心し、食い入るように見ていました。生で見る迫力は、言葉や写真では伝えられません。その時間にそこにいること、これが重要なんです。だから実際に訪ねて、体験するのが好きです。
今日は、出雲大社をお参りして神話の舞台を感じ、大社駅ではまるで過去に来たような錯覚をし、そして今、目の前でヤマタノオロチ伝説の石見神楽を見ていると、「あー、やっぱりぼくは日本人やなぁ」と思いました。

 ☆ ☆ ☆

レセプションがお開きになって、ビアガーデンで大宴会。この時期、まだビアガーデンは寒い。風が冷たいです!
ビアガーデンとセミの声。どちらも今年初です。まだ5月下旬やのに、もう夏みたい?!

スサノオ師匠と盛り上げリました。
「人生とは恋愛だ。恋愛とは、どう書くか知っているか?下に心を書く、だから下心。それがなきゃ人生じゃない!」

今まさに下心丸出しの師匠。おもろすぎです。

 ☆ ☆ ☆

ホテルへ戻って、ロビーに集合。もう23時を過ぎてますが、まだ寝るにはもったいない。

しかしドイツ人がいるのに、静かすぎる。おかしい・・・。

いつもなら、夜中じゅうパーティを開き、あっちでいちゃいちゃ、こっちで飲みまくり、ベッドでは・・・のはずやのに。
あ、なるほど。男女別々のホテルなのね。だから、みんなそっちに行ってるんや。石見の人たちも分かってたから、そうしたんやろうけど、無駄な抵抗やったようやね。きっと、あっちのホテルはえらいことになっとんやろう。

 ☆ ☆ ☆


大浴場に入りました。男子風呂場のゴミ箱には、ビールの空き缶が溢れかえっていました。
高野師匠が、その理由を教えてくれました。


「そらすごい騒ぎやで。あいつら浴槽にビール浮かべて飲みまくって、水を掛け合い、むちゃくちゃやったぞ。わしが入ったらビール缶が2・3本入った桶を渡してきて、『ハイ、ドゾ』と頭下げる仕草しよんねん」
やはり、騒ぎまくってたか。そしてきっとホテルの人に怒られたんやろな。それもあって、よそのホテルに行ったんやろう。

風呂上りにロビーでまったりしていると、ぽろぽろとドイツ人達が帰ってきました。そのうちの一人、エリックが僕らの座に加わりました。自己紹介を兼ねて、それぞれの獅子のポジションの説明をしました。ワキのことをチアガールと訳すと、これにエリックが食いつきました。

「cheergirl?Oh!L、I、O、N、LION! LION! LION!」
と、ライオン・コールの連呼が始まりました。
エリックは、自らが編み出した
ライオン・コールを気に入りました。何かっちゅうと、「L、I.、O、N!」です。
もうひとつエピソード。

僕らはロビーにいたので、帰ってくる人はぼく達と顔を合わせることになります。獅子舞のよっちゃんが帰ってきました。ドイツのツバメを同伴です。さすがです。

仲良く寄り添ってエレベータに乗りました。いちゃいちゃしています。「なんちゃらかんちゃら、my room」と、聞こえました。つまり「うちの部屋で・・・」ということです。

え、マイ・ルーム?獅子は相部屋やで。つまり、これみよがしに、
(あんたらわかってるやんな)という意味を、ぼくらに言った訳です。

夜は長いです。
部屋に帰れなくなりました。
神戸太鼓の児玉師匠が加わりました。師匠の長男ヒロシも一緒です。
ヒロシは何度も「ぼく酔っ払っています。10缶も飲んだもん」と言いながら、ソファで眠り込んでしまいました。

巫女さんも加わり、話しが尽きませんでした。

(みんな明日舞台やのに大丈夫なんかぁ?)

心配ありません。みんな尋常でないパワーの持ち主ばかりです。
そうそう、エリックは、翌日の本番でもライオン・コールをやってました。ぼく達が袖待ちしているところにわざわざ来て、小さくライオン・コールを言いました。


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