海外公演    
Overseas tour

2006年 5月24日 ヒューエンデン / 6日目
澄み切った空をバックに、大漁旗が風に吹かれています。設営は順調に進み、各々本番に向けて余念がありません。

まだ誰も来ていない会場で提灯を前にすると、なんとなく盆踊りをしたくなりました。日本人の習性でしょうか?

いや、海外に来ると、あえて日本的なことをしたくなるようです。行くと、その気持ちがわかります。
ワークショップを自分たちで体験してみました。
シンゴさんによる島唄です。三線をキース、笛をエリちゃん、鈴をリエちゃんがやります。みんな多才で、ほんま尊敬します。

お返しに、現地の高校生たちから
スキヤキソングを贈られました。

オージーたちは案外シャイなんでしょうか。前に出ると、急に声が小さくなってしまい、スキヤキソングはほとんど聞こえませんでした。
最後は、ぼくらも一緒に歌って合唱しました。
美味しい顔コンテストが流行りました。

「どうしてもかわいくなっちゃうのー」

わはは!リエちゃんは、いつも周りに爆笑をくれます。でも本人はいたって超・真面目のつもりです。

そんなリエちゃんは、デジカメのメモリーをいつも整理しています。時間があると、デジカメからデータを消去しています。

 
「すぐいっぱいになっちゃうの、ピ!」
 
「大丈夫。大事なのは残してるから、ピ!」

ほ、ほんまか?ぼくら消されてへんか?
後日、りえちゃんに「WONDERBUSで撮った写真を頂戴」と、お願いしたら、送られてきたのは
2枚だけでした。

ここでシンゴさんは帰ります。これからって時なのに残念です。

男連中で胴上げをしました。シンゴさんは「俺、ギックリ腰やのに〜」と照れを隠すように喜んでくれました。

シンゴさんの姿が見えなくなるまで見送り、何度も「シンゴさ〜ん!」と名前を呼びました。

「シンゴさーん!」
「シンゴさーん!」

名残り惜しいです。

そのとき、カオリさんからも<私の名前も呼べ、呼べ>とサインが送られてきました。カオリさんは、見送りのためシンゴさんの乗るバスまで付いていってるだけです。

「カオリさ〜〜ん!」

なんでやねん!
(まるでカオリさんともここでお別れみたい)

いつも冷静なカオリさんの、お茶目な一面でした。
お片付けしています。

『殿、駕籠に乗る』を表現。

この頃から、キースのことを"殿"と呼ぶようになりました。ほそちぃは"爺ぃ"です。若さまは、若さまです。

楽しみにしていた恐竜博物館。昔、この辺りは海の底で、化石がいっぱい採れるそうです。

入場料3.5ドル。え、化石はこれだけ?しかもレプリカ?!

説明の看板は書きかけだったり、白紙のところがあります。なんか騙されてるような感じがしました。ビデオ上映がありました。

 「45億年前、海ができた・・・」
 「40億年前、バクテリアが生まれた・・・」
 「25億年前・・・、20億年前・・・(終)

って地層の成り立ちで終わりかい!恐竜はどこ行ってん!!!
今夜は全豪が注目するラグビーの試合があり、日本で言えば巨人-阪神戦のしかも日本シリーズの、やね。
そんなとき、夜のプログラムとして邦画の上映会を企画しています。
『ウォーターボーイズ』に何人集まるか?

子供が行きたくても、会場まで車で送迎してくれる大人たちは、きっとテレビから離れてくれないでしょう。
さぁ、何人来るか?
一番多くを予想したのはノームさんです。その数、67人。一番少なく見込んだのは、ぼくです。思い切って、0人!

夜になり会場で待ってると、家族連れなどで、わいわい賑わってきて、人口2000人の町で、なんと80人以上が来てくれました!

0人なんて、予想してすんません!さらに、獅子舞チームは午前の部で、出会った女の子から絵をもらいました。獅子舞がすごく印象的で、帰ってすぐに描いて、わざわざ夜の部にもう一回来てくれました。ありがとう!大事にします!

獅子舞チームは、ここで
初チャレンジをしました。ずっと生音にこだわってましたが、MD音源に切り替えて、5人全員が踊り手になり、誕生獅子を演舞しました。
父獅子1頭だけから赤ちゃん獅子が生まれる変則バージョンでしたが、やっぱり赤ちゃんが生まれるマジックが、大ウケでした!

「最初から、やっとけばよかったやん」

「そやな〜」と、5人とも大満足の笑顔でした。ほんま、ほそちぃの提案通りでした。
キース・パパさんのアイディアで、町から離れた何もない荒野まで星空ツアーへ行きました。今夜はちょうど新月で、星を見るには最適でした。

普段、星座の位置なんて意識してないのに、南半球の星空はいつもと違い違和感があります。いつもと違う・・・。

部屋から持参した毛布に包まって、地面に寝転がって見ました。みんな思い思いに時間を忘れて空を眺めました。南十字星を発見!ニセ南十字星があることを初めて知りました。そっちのほうが見つけやすいんで、勘違いしやすいです。

しばらくするとコノミさんが
「飽きた」の一言で立ち上がり、毛布をバサバサさせて、まるで裸にコート男のようにうろうろし始めました。

すーすー、隣りから寝息が聞こえてきました。何人かがすっかり熟睡しています。連日連夜、移動と公演の連続やもんな。

ほそちぃの姿が見えないと思っていたら、(すぐ隣りの顔ですら判別できないぐらい真っ暗)、後で聞くと、ぼくらから少し離れて
ウイスキーをちびちびやっていたそうです。

ぼくは、一人100mほど離れたところで、大空を独り占めしていました。ずっーと星を眺めてました。すごーい遠くで、獣の啼く声が聞こえました。
星空ツアーから帰ってきて、ほっとしました。やっぱり屋根があって、寝る所があるというのは、人間が安心できる空間なんやね。

今日でツアー6日目です。オーストラリアのだいぶ内陸まで来ました。
夜は冷え込み、朝は日が昇ると同時に、気温も一気に上がってきます。これは乾燥地域特有の気候です


部屋の前のベランダに集まり、ビールや、日本からもってきた
柿ピー・わさび入りなどおつまみで乾杯をしました。

1本だけ持ってきていた
芋焼酎を開けました。獅子舞ボックスに隠してきてたんです。甘口の焼酎は、この夜にぴったりで、体が温まりました。


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