海外公演    
Overseas tour

2006年 5月29日 マウントアイザ → ケアンズ / 11日目
ラスト・ナイト終わってから獅子道具とかのパッキングをして、寝たのか、寝てないのか。もうお別れの時間が来ました。

見送られるなんて、どないすればええんやろう?)

ぼくは、こういうのが苦手です。いつまでも会っていたいという気持ちが勝ってしまいます。バイバイと言ってハグしたら、どんな顔をしたらええのか???

もっとみんなと一緒にいたい。泣きそうなクルーがいます。

(いやいや、これっきりやないやろ?)と、ぼくの心のなかで誰かが言ってます。その通りかもしれませんが、目の前で、この旅そのものが終わろうとしていることに、ぼくは気付いていませんでした。

スピーチを求められても、ちっとも締める言葉が頭に浮かびませんでした。

また会おう!

また会える予感がします。
理由はないですが、実感としてそれしかありませんでした。

このWONDERBUSツアーの移動手段のなかで、不安の一つだったマック・エアーです。

「下見のときは、かなり待たされた。それに、スーツケースは禁止よ。かばんはスポーツバッグにしてね」

と、カオリさんが日本出発する前に教えてくれました。

でも、大丈夫でした。ちゃんと飛んで、スーツケースも獅子道具も乗せてくれました。

16人乗りのプロペラ機は、定刻よりちょっと遅れで飛び立ちました。天井がかなり低いです。ぼくの頭がつきました。

ぼくらは、マウントアイザ→ケアンズへ飛んで、ケアンズで国際線へ乗り換えて、成田へ帰ります。

みんなからもらったカードをじっくり読みました。嬉しくて、何度も読みました。

(だから昨夜、ハイライトをしゃべりながら、時々一人が抜けたりしてたのか)と気付きました。

みんな、ありがとう!
珍しく、静かな時間が流れました。(この5人は、いつも騒がしい)
ケアンズに到着すると、ノームさんの娘さんがお迎えに来てました。娘さんと会った瞬間に、ノームさんの顔が”お父さんの顔”に戻りました。娘さんが、めちゃかわいいです!

ノームさんとの旅は、ここで終わりです。

シンシンは、ここからオーストラリアを満喫する旅のスタートです。ここを拠点に、あちこち観光を楽しむそうです。
ぼくも学生だったら、って無理無理。シンシンの底なしパワーに驚きです。
お腹減った〜。ぼくはオーストラリア最後のステーキバーガー&フライドポテトを堪能しました。

ちゃちゃと食べて、「一時解散!あと20分で
買い物をしろ〜!」と、おのおのショップへ散っていきました。

ぼくはようやく書けたハガキ(いつも海外へ行くと友人10人ぐらいに書く)を日本へ送るため、
切手を求めてウロウロ。
お土産屋さんのレジのおばちゃんが一緒に切手を貼るのを手伝ってくれました。
2006年 5月29日 ケアンズ → 成田 / 11日目
オーストラリアの大地が離れていきます。

さっきまでいたマウントアイザの空と、ここケアンズの空は、ぜんぜん様子が違います。

泥のように眠るはずでした。
が、なんとなく目が覚めてしまい、何を想うことなくぼーっとしました。物思いに耽って、判然としない機上でした。

旅を振り返ることはありませんでした。まだまだ気持ちは、旅を継続中で、振り返るほど済んでませんでした。

自己を見つめていたのはぼくだけでなく、智恵ちゃんもナオコちゃんもほそちぃも同じようでした。それぞれが、それぞれの人生を考えているようです。すっごい、根本的なことを考えてました。

自分にとって一番大事なこととは?
ぼくは、わたしは、俺は、オイラは、何がしたい?

今年の【YOKOSO!JAPAN!】のビデオは、ぼくら日本人が観ても感動しました。何度観ても「行きたいなぁ」と思わせられる内容でした。

日本に到着して、YOKOSO!JAPAN!の看板に迎え入れられて、
「これの前で記念撮影や!」と、係員に怪しまれながら何枚も撮りました。

ナオコちゃんは、ノームさんと別れて、最後の1枚は成田で撮る!と決めていました。YOKOSO!JAPAN!の看板前というシチュエーションは、最後に一枚に相応しいです。
タイマーをセットして、「撮るよ〜!」、「はーい」とポーズを決めました。
あら、カシャンと音がしません。

「あれ?タイマーになってない?」


タッタッタと駆け足で、カメラのところへ戻りました。その瞬間、「カシャ」。そして、「ジジジ〜」。
フィルム(APS)が巻き戻っていきました。

「最後の一枚なのに〜!このために残してたのに!」

ガックリ倒れこむナオコちゃんでした。
爆笑!オチとして最高でした。

その最後の写真は、これ(↓)です。
日本に到着して、携帯がつながるようになった瞬間、みんなが真剣に携帯チェックをしました。まるでクローンカリーのようでした。

やっぱり仕事が気になります。「大至急!」なんてメールや留守電が入ってないか・・・。

「あってもどうしようもなし!わははは!」

割り切って爆笑!なるようになる!

WONDERBUSで出会った仲間たちと得た体験は、言葉で表現できません。何だったのかもわかりません。

「オーストラリアはどうやった?」と訊かれたら、こう答えます。

ラ〜イク、ディス!

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