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2007年 4月2日 日タイ修好120周年記念パーティ(帝国ホテル)
  日タイ修好120周年記念パーティ 4月2日  

会場は帝国ホテルの孔雀の間(東)です。立食パーティには500名ほどの出席者がいらっしゃっています。

この日、神戸から助っ人で、
山下さんしんしんに来てもらいました。遠いところを、ありがとうございます!これで笛が3本になりました。

帝国ホテルからお弁当をいただきました。「
なだ万」のお弁当です。美味しそー!

でも実はこれ、タイ・ダンサーの人に食べられそうになっていたんです。危機一髪でした。蓋を開けて箸を割ろうとしている瞬間に、「あ!それうちらの!」と止めて間に合いました
。タイ・ダンサーさんたちには、別のお弁当が用意されていました。

  新人デビュー  

どう見ても
空元気です。顔は笑ってますが、引きつってます。笑顔に無理がある!

父獅子担当のワキ(写真 左)は、
日本酒をカポカポいってます。

おい、そんなに飲んで大丈夫なんか?景気付けは、ほどほどにね!

なにー、ジョージともてっきー2代目がぎりぎり?!今、出た???やはり平日は難しいです。仕事終わりでみんな駆けつけています。

「むむ〜、ほなら、智恵も衣装をちゃんと着といて。それと、しんしん!子獅子に入るかも。気持ちだけ
用意しとって!」

二人とも「ええ〜」と言いつつ、すぐ切り替えて、準備に入るところはさすが。本番慣れしてるメンバーは
心強いです。

そうこうしているうちに、二人とも間に合いました。

今日はリハなしで、ぶっつけ本番です。みんな会場を見ていないので、先に下見をしたぼくから説明しました。みんな、真剣に聞き入ります。
この部屋で、通し稽古をやって最終チェックをしました。

  新人デビュー  

父獅子のワキは、練習のときからそうでしたが<
困った顔>をしています。困った顔をさせたら日本一です。

ワキ・リーダーは、とんちんかんな
質問をしてきます。おそらく何を訊いてるか、本人もわかってないでしょう。

もっとひどいのは、母獅子担当(写真 中央)のワキです。
あの世へ行ってます。魂が抜けかけです。
おーい、話し聞こえてるか〜?
会場まで迷路のような通路を行って、待機。ぼくらの前は、タイ舞踊の皆さんたちがやっていました。

終って、タイ舞踊の方たちが
早や替えをしています。衣装を替えて、急いで違うアクセサリーを着けていました。

母獅子&子獅子チームは、邪魔にならないようスタッフ通路へ逃げました。そこの壁には「粗相0件目標!」と張り紙があり、ぼくらは「どこもDコストの削減は大事やねんなぁ〜」と笑いあってました。

そのときに、遠くから聞こえてくる笛の音。

ピロロ〜ロ、ピロロ、ピーピッ、ピララ

「あれ?あいつらリハやっとん???」

堂々とリハーサルをやっとんか?

「・・・・違うーー!!!」
「始まってる!!!
急げ、急げ!

舞台でよくある大
ハプニングです!母獅子(&子獅子)が、出遅れました。
いつの間にゴーやってん?なんでワキが3人もおって、誰も言うてけぇへんねん?ハプニングや!

いや〜、なんとか登場できました。ほほほ。

母獅子は、ほんまは、上手から出てくるはずやのに、下手から出てきています。

新人のワキたちは、自分のこと以外に余裕はありません。
(母獅子がいない。なんで?)で思考は止まっていたでしょう。
母獅子担当のワキは、ぼく(母獅子)がいなくて舞台を
さまよってました。

ぼくが現れると、擦り寄るかのようにくっついてきました。喜んでます。まるで、やっとお母さんを見つけた
迷子のようでした。

へー、えろうすんません。
ぼくの頭のなかは、追いつくことだけで精一杯でした。
(間に合ったんか?間に合ったんか?)


柔らかい舞台やなぁ。仮設やから、ふわふわして踊りにくいわ。足が上げづらい。

うん、今日は地方(お囃子)の笛がしっかり聞こえる。3人で良かった〜。しんしんも音が出てる。太鼓が弱すぎる。課題やな。

ここから横転びです。まずは、父獅子が少しづつ母獅子に寄ってきます。ジョージたちが頑張ってます。

どうもワキがばたばた踊ってて、前が見えん。もっと・・・と思いますが、次の瞬間には
(しかし、ようやっとうわ)と感心します。何しろ、たった10日間でここまでできるようになったんですから。

打ち込みから牡丹で、さっきの動揺からようやく脱出し、ぼくも周りを確認できるようになってきました。
父獅子が、だんだん母獅子に近寄ってきます。そして、横転びの2回目。誕生獅子の見せ場です。

<よっしゃ、
産まれた!

んん〜、お客さんの反応はまぁまぁです。
(あれ?またバレてたんかな?)

こういうとき、獅子の中にいると、様子がさっぱりわからないんでイライラします。
「産まれて、おめでとう!」という喜びの気持ちを込めて踊って、と教えました。

このとき、3人はどんな気持ちやったのか。頭のなかをのぞいてみたいです。

きっと振り切っていて
無我夢中やったでしょう。
はい、一節。ワキ・リーダーは、笑顔をキープしています。引きつってるのか、ライトを浴びてうれしいのか、どっち?

しかし、きちんと前見て、笑顔をキープできるようになっててすごい!

今日まで毎日、ステップを踏んで練習したので、足元を見たり、横をチラ見することがなくなっています。偉いっ!

獅子の中からは、ここでようやく3人の様子と、他の獅子の様子が掴めます。みんな、ええ感じで頑張っているのが、よく見えました。
軽く打ち込んで、ピッ。ハイッ、2節!
ワキが
3人いて、ぴたりと揃うと、これはこれでカッコええ。

そして、3節。ぐるっと周って、この勢いで打ち込め〜〜〜。
このまま舞台を飛び降りて、客席で決めーっ!!!
オッケー!
ええやないか!

パチパチパチパチ〜、拍手。

「日本の伝統芸能の一つ、獅子舞でした。獅子舞のみなさん、あり・・」としゃべっている司会の言葉にかぶせるように、ぼくから「
道中〜!」の掛け声です。
ちゃんと会場の人には、段取りを説明しててんけどなぁ。

道中に合わせて、立食パーティのなかを獅子が3頭散っていきます。
お客さんは食べるんに夢中で、噛みに行っても気付いてくれませんでした。こんなに美味しそうなもんばっかりやったらしゃーないか。

よし、真ん中で打ち込んで決めー!
ありがとうございました!!!

一旦、裏へ回って、すぐにフィナーレの準備です。

タイ・ダンサーさんらに続いて、ぼくたちも舞台へ上がりました。タイの曲が流れています。リズムに合わせて頭(かしら)を振りました。

獅子3頭はタイ・ダンサーのトップ3の横に配置され、ビシっと決め。さりげなく笛の麻由ちゃんが、いいポジションを陣取っています。
その目立ちたりの精神が大事やで!

パーティは盛大なまま、お開きとなりました。
舞台裏で、タイ・ダンサーさんたちと通じない言葉で「ありがとう、ありがとう」を交わしました。お互い笑顔で、気持ちが通じます。

舞台を共有したときの、この一体感が、ぼくは
大好きです。

舞台へ向う気持ちは、どの国の人たちも同じです。そして直前の緊張感と、終ったあとの興奮も同じ。共感しあう。

これが、ほんまの国際交流やね。
ここ、ここ!

ここの壁にな、ほら「粗相0件なんたら、かんたら」って掲示があるやろ?これを見て笑ってて、そしたら♪ぴろろ〜と聞こえて、あれ???となって・・・、わははは!

舞台では時々こういうハプニングがあって、終ってみると
爆笑です。

今日のことは、これからもずっと
ネタになるでしょう。
母獅子が出てこない伝説>が誕生です。
新人3人とも、めちゃめちゃ笑顔です。

舞台を楽しんでくれたかな?
一気に肩の力が抜けた感じかな?

舞台での演舞と、こういう交流。これが楽しいんや。
これからも頑張ってね!よろしく!
楽屋に戻ると、日本からもタイからもカメラがぞくぞくと出てきて、<写真撮影大会>になりました。何十枚撮ったことか!

「はい、こっちお願いしまーす」に合わせて、そっちへ向きます。でもカメラが多すぎて、どれ見ればいいの〜?

今回スチールは、
智恵ちゃんクリスが撮ってくれたので、2カメ態勢でした。ありがとう!
あらためて獅子舞部だけで撮影。
智恵ちゃんに撮ってもらったので、残念ながら智恵ちゃんは写ってません。智恵、ありがと!

「ほな、ジョージ急いで着替えて。片付けはええで」
ここで、ジョージはまた仕事へ戻っていきました。ありがとうな。

そしてここで終るはずが、また信じられないことが起こりました。<
もてっきー伝説>です。台湾に続いて、またです。
タイの子が近づいてきて、もてっきーだけ手招きして、一緒に写真を撮りたいと言います。

「なに!なんで、あいつだけ!!!」

何度も言いますが、あいつは獅子を踊ってる間は、<父の後ろ>なので顔は出ていません。なーのーに、いつの間に!?

どないなっとんねん?!え?フィナーレ待ちのとき?

「最初はぼくだったんですよ。
名刺ください、と声を掛けられて喜んでたら、後ろにいたもてっきーが目に入った瞬間、"キャー、He is cute!"と言ってぼくの元を去ってったんです」 (ジョージ談)

「わたしも、その瞬間を見た!」 (ふだ談)

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